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僕らの研究室でやっているのは、筧先生からもご説明がありましたが、戦争や自然災害で蓄積されてきた貴重な記憶をデジタルマップを使って可視化することを行ってきました。今見ていただいてるのは、広島の原爆をテーマにした「ヒロシマ・アーカイブ」です。

直近の成果でいうと、テレビ等でも広く紹介されたのでご存じの方も多いと思いますが、ウクライナ戦争で破壊された建物のデータを地元のクリエイターの方々とコラボレーションしながら収集していき、3Dのマップにする「ウクライナ衛星画像マップ」プロジェクトを行いました。

あと今年は能登半島地震のときにどのような被害が生じたのかを、民間の3Dクリエイターの方とコラボレーションして、発災から2日後だったと思いますが、素早く発信することができました(能登半島地震フォトグラメトリ・マップ)。最終的にはNHKとコラボレーションしながら、どのように被害が生じ、これからどんな支援が必要なのかを明らかにする、といった仕事をしてきました。

こちらは、モノクロの写真をカラー化してSNSでシェアしたり、展覧会を開くことで、過去に封じられていた記憶がよみがえるというようなプロジェクトを進めています(『記憶の解凍』プロジェクト)。

学生さんとの関わりでいうと、ノーコード、プログラミング不要のプラットフォームを使って、学生さんたちが自分たちの選んだテーマで、災害のデジタルアーカイブという授業を東大の1、2年生相手にやっています。

あとは、研究室の学生さんでこの講座にも参加する予定ですが、この番組ではこの3人がフィーチャーされましたが、それぞれの切り口でどんなふうに記憶を継承するか、という活動を展開しています。

特に紹介したいのがこちらですね。見たことある人が歩いています。今日はたまたま同じ服を着ています。アバターを使って昔の写真の中を体験できるシステム「戦災VR・古写真VR」です。非常に面白く、それまでに見えていた写真が空間だということに気づくことができます。子供たちも戦争体験者の方も、このシステムを非常に好意的に受け止めてくれています。

僕はゲームの全盛期の20世紀に、ソニーにいました。このときに手がけたゲームが『アディのおくりもの』です。女の子が2次元の水彩画の中を歩くというシステムです。さっきの学生さんの作品で、写真の中をアバターが歩いていましたが、それの20世紀バージョンをソニーのときに作っていたのです。さらに、さきほど見ていただいていたシステムは、ソニーのときの同僚の方が起業したアバターの会社とコラボしていたりします。なので、僕がこの講座で期待しているのは、世紀を超えた、しかも立場や社会的な属性を超えたコラボレーションを学生さんと一緒に展開していくようなことです。

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