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2026/03/25

ものづくりはエンタメ。コミュニティは相互推し活。:ロボットエンジニア・田中章愛が未来へつなぐ「夢中」の身体性|CFD013:田中章愛 ※関係者向け

ものづくりはエンタメ。コミュニティは相互推し活。:ロボットエンジニア・田中章愛が未来へつなぐ「夢中」の身体性|CFD013:田中章愛 東京大学×ソニーグループによるCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、領域を越境し、未来へ向けた共創を先導する対話の場「Creative Futurists Dialogues(以下CFD)」を展開しています。第13回は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのロボットエンジニア、田中章愛さんです。 「子どもたちに創意工夫の原体験を届けたい」という想いを起点としたロボットトイ『toio™(トイオ)』の開発プロセスや、NHK『魔改造の夜』での極限の共創を題材に、「現代のものづくりは参加型のエンタメであり、普段からの筋トレが大事」「コミュニティは相互の推し活」といった独自の概念から、未来の創造性のあり方を紐解きました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 夢中が生み出す「原体験」と成長のエンジン 成功をゲームに、失敗を筋トレに――toioが形になるまで 『魔改造の夜』――「らしさ」の呪縛を超えた、剥き出しの「癖」 コミュニティという名の「相互推し活」 Q&A:「ものづくりは階段の一段目から」という教え ペイ・フォワード:未来のために価値を受け渡していくということ 夢中が生み出す「原体験」と成長のエンジン筧康明(以下、筧): 本日は、ロボットトイの『toio(トイオ)』を開発された、田中章愛さんにお越しいただきました。toioは僕らのラボでも愛用していますが、今日は開発の裏側を含め、たっぷりとお話を伺えるのを楽しみにしています。…
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2026/03/22

アートとリサーチの交錯点──クリエイティヴな人文学と芸術の未来|CFD012:毛利嘉孝(社会学者) ※関係者向け

アートとリサーチの交錯点──クリエイティヴな人文学と芸術の未来|CFD012:毛利嘉孝(社会学者) 東京大学とソニーグループが共同で運営する「越境的未来共創社会連携講座(以下CFI)」は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第12回目のゲストは、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科長を務める毛利嘉孝先生です。 毛利先生は、文化研究や文化芸術の社会学を専門としながら、ストリートアートやポピュラー音楽、メディア研究といった既存の枠組みにおける「周縁」を横断し、社会批評・アート批評を展開されてきました。資本主義の変容から現代のアートが直面する激しい衝突、そしてポスト・トゥルースの時代における創造と最前線の実践まで。アートが社会と地続きの影響力を手にした現在地を捉え直し、70年後の「月面居住」という途方もない未来に向けたアートの役割を壮大なスケールで展望しました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: アートとリサーチの交差 資本主義の「非物質化」がもたらしたもの ソーシャル・エンゲージド・アート(SEA)への展開 社会と衝突するアート──バックラッシュの時代 調査的な美学──真実・未来・想像力を扱う実践  Q&A:越境がもたらすコンフリクトをどう乗り越えるか アートとリサーチの交差田中東子(以下、田中):毛利先生とは、私が院生の頃から20年来のご縁があり、ずっと長くお付き合いをさせていただいてきました。代表作である『ストリートの思想』をはじめ多くの著作を通じて、アートと政治の問題を非常に丁寧に絡めながら、鋭い社会批評・アート批評を展開し続けてこられた方です。 今回ご登壇いただいた最大の理由は、今年、先生が編著として刊行された『アート×リサーチ×アーカイヴ』にあります。副題に「調査するアートと創造的人文学」と掲げられた本書の内容は、まさにこの社会連携講座が試みている「越境的な未来共創」と極めて近しい問題意識を共有するものです。人文学とアートがいかにして交差し、新たな知を切り拓くのか。毛利先生のレクチャーを通じて、その深層を探っていきたいと思います。毛利嘉孝(以下、毛利):ご紹介ありがとうございます。私の専門は、文化研究あるいはカルチュラル・スタディーズと呼ばれている領域、そして今は東京藝術大学というところに身を置いていることもあり、文化芸術の社会学と紹介したりします。芸術といっても幅広くて、美術館で見せるようなファインアートだけでなく、ストリートアートやポピュラー音楽といった、大学の中では比較的「周縁的」というか、おそらく私しかやっていないような領域もずっと扱ってきました。あわせてメディア研究も自分の守備範囲ですので、メディアアートの批評を書いたり、展覧会の企画を行ったりもしています。 今日お話しするのは、私がこれまでずっと続けてきた活動のすべてというよりは、ここ二、三年ほどの間、集中的に取り組んできたことになります。私は藝大という、八割方がアーティストや演奏家である組織にいます。そうした「表現の現場」のなかに身を置きながら、研究者として、あるいは批評家として、アートと社会、あるいは人文学がどう交差していくのか。その具体的な背景についてお話しできればと思います。今日お話ししたいのは「アートとリサーチの交差」についてです。これには大きく二つの方向があります。 ひとつは「アート=ベースド・リサーチ(ABR)」。これは教育学や社会学などの研究者が、方法としてアートを用いる。映像やパフォーマンス、体験を活用しながらプレゼンテーションしていく実践です。もうひとつは「リサーチ=ベースド・アート(RBA)」。こちらはアーティストが社会学的な調査や文化人類学的なフィールドワーク、アーカイブ分析を芸術制作の手法として取り込んでいく。…
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2026/03/22

「見えない自由」をまとう──黒子が映し出す社会の臨界点|CFD011:芦澤いずみ(作・演出家・俳優) ※関係者向け

「見えない自由」をまとう──黒子が映し出す社会の臨界点|CFD011:芦澤いずみ(作・演出家・俳優) 批評と創造をつなぎ、未来の共創を探る東京大学×ソニーグループの連携講座「Creative Futurists Initiative」。第11回「Creative Futurists Dialogues」では、作・演出家・俳優の芦澤いずみが登壇し、黒子(くろご)を主題とした自身のパフォーマンスをもとに、「見えない存在のデザイン」を問いかけた。黒衣をまとう、他者を着せる、そして沈黙を共有する。可視性と不可視性、匿名性と固有性、ケアと暴力──レクチャーを通して浮かび上がったのは、社会における私たちの立ち位置という「存在」の構造そのものだった。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 黒くなることで自由になれるのか 匿名性と暴力のあいだで パフォーマンスアートは問いを生むメディア クロゴとクロコ、役割の誤読 見えないものを、どう見るか 黒くなることで自由になれるのか黒子の衣装に着替える──それは、観客であることの放棄であり、匿名性の受容でもある。参加者はこの「脱皮」の感覚をこう語った。 「黒くなったことで自由になれた気がしたんです…より表現力が増すというか」(参加者) しかし、その自由は同時に不安も呼び起こす。 「黒子になると怖いなと思った…靴の音が会話のように聞こえて」(参加者)…
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2026/03/22

アートとテクノロジーの変遷、その「越境」のゆくえ|CFD010:廣田ふみ(プロデューサー/株式会社イッカク代表取締役) ※関係者向け

アートとテクノロジーの変遷、その「越境」のゆくえ|CFD010:廣田ふみ(プロデューサー/株式会社イッカク代表取締役) 東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第10回目のゲストは、プロデューサーで株式会社イッカク代表取締役の廣田ふみさんです。 廣田さんは、山口情報芸術センター[YCAM]や文化庁、国際交流基金、東京都の歴史文化財団などでメディアアートの事業策定に携わってこられました。今回は、独立した立場からメディアアートの時代的な変遷や、自身が経験してきた「越境」をキーワードとした活動についてお話しいただきました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: アート&テクノロジー領域の文化政策の変遷 アート&テクノロジーが結ぶ新たな関係 越境とコレクティブ:生存圏としての共同体 異種混交的文化状況を見据えた越境 Q&A:「メディアアート」はどこへ向かうのか アート&テクノロジー領域の文化政策の変遷筧康明(以下、筧):廣田さんは、日本のメディアアート──あるいは「メディア芸術」と呼ばれる領域において、その振興に最前線で携わってこられた、この分野を考える上で欠かせない方です。メディアアートの枠組みをさらに広げ、乗り越えていくような先進的な活動を推進されてきました。私自身もワークショップなどでご一緒する機会がありましたが、その越境的な視点にはいつも刺激を受けています。最近では、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]を立ち上げられ、メディアアートの「これから」を市民社会の視点から問い直されています。今日は、アートとテクノロジーの時代的変遷から未来への展望まで、廣田さんの豊かなバックグラウンドを基盤に、皆さんと深い対話を広げていければと思っています。 廣田ふみ(以下、廣田):私はこれまで、大学や自治体、あるいは国や市という「制度」の側からメディアアートの振興に携わってきました。2022年には渋谷にCCBTを立ち上げ、現在は独立して活動しています。CCBTでは、メディアアーティストの岩井俊雄さんとともに展覧会を作り上げるなどの試みを行いました。そこで掲げた「シビック・クリエイティブ」という言葉には、メディアアートそのものの振興以上に、テクノロジーを用いた創造性をいかに市民社会に広げていくか、という強い問題意識を込めています。 今日は独立した立場として「解き放たれて」お話ししようと思います。あらためてこれまでの歩みを振り返ってみると、意外と砂漠だったような気持ちもあり、まずはその背景を皆さんと共有したいと思います。©︎廣田ふみ Hirota…
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2026/03/22

3秒でわからなくていい——「空気の芸術」と共に在ること|CFD009:三原聡一郎(アーティスト)※関係者向け

3秒でわからなくていい——「空気の芸術」と共に在ること|CFD009:三原聡一郎(アーティスト) 東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第9回は、アーティストの三原聡一郎さんを迎えました。 かつて山口情報芸術センター[YCAM]在職時のプロジェクトを通じ、筧教授と「触覚」の探究を共にしてきた三原さん。震災を機に、ブラックボックス化したインフラを自作する試みから、関心は「空気」へと移ります。音、水、微生物——制御しきれない現象との対話から生まれる、環境への新たな眼差しをレポートします。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: サウンドから始まる「空気」への回帰 東日本大震災と「空白のプロジェクト」 振動・粒子・呼吸、三つの装置を巡る対話 3秒で理解されるより、30分滞在すること 空気と共に在るレシピ サウンドから始まる「空気」への回帰筧康明(以下、筧): 三原さんとは2011年頃に、触覚のプロジェクトで密に議論した仲です。今日は「空気の芸術」というタイトルで、装置もいくつか持ってきていただきました。対話できる場にしたいと思っています。 三原聡一郎(以下、三原):…
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2025/01/23

AI x Creators:Pushing Creative Abilities to the Next Level — 4つのステップで考えるAIと音楽クリエイションの関係|CFD-007:光藤祐基 ※関係者向け

AI x Creators:Pushing Creative Abilities to the Next Level — 4つのステップで考えるAIと音楽クリエイションの関係|CFD-007:光藤祐基 東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第7回目のゲストはSony AIのCorporate Distinguished Engineer、光藤祐基さんです。 光藤さんは、AIが音楽クリエイションにどのように活用されるかを四つのステップに分けて解説し、AIとクリエイターの関係について具体的な事例を交えながら紹介しました。また、クリエイターの表現力を引き上げるために必要な要素についてもレクチャーしていただきました。後半では、4ステップ全てを網羅したユースケースの紹介と、AIからクリエイターを守る方法について議論しました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Haruna Mori PHOTOGRAPH: Yasuaki…
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2025/01/07

アートの創作プロセスにおける外界・認知・身体の相互作用|CFD006(後編):髙木紀久子(東京大学大学院)※関係者向け

アートの創作プロセスにおける外界・認知・身体の相互作用|CFD006(後編):髙木紀久子(東京大学大学院) 東京大学×ソニーグループによる、Creative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、領域を越境し、未来へ向けた共創を先導する方々を迎える対話の場、Creative Futurists Dialoguesシリーズ(以下CFD)を展開しています。第6回目のゲストは、美術家として活動後、認知科学・認知心理学領域へと進み、特に芸術家の創作プロセスと芸術創作の教育支援について実践的な研究に従事するという、越境的な経歴を持つ髙木紀久子氏です。後半では、参加者らはフロッタージュとフレーミングのワークを通じて、環境に対する身体の使い方やものの見方について、アーティストの探索活動の体験から創作プロセスにおける認知の作用を実感してもらいました。前編はこちら。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 偶然の出会いを「類推」と「驚き」で活用する 目に見えないテクスチャを認知レベルで掴みとる 自己の探索とその作用に意識的になる 創造性プロセスの他領域への展開の可能性 偶然の出会いを「類推」と「驚き」で活用する髙木紀久子(以下、髙木):これから紹介する研究は、アーティストの篠原猛史さんによる「behind the scene アート創作の舞台裏」という東大の駒場博物館での展示の研究です。約11ヶ月にわたった発話のインタビュー結果、ドローイングの写真、写真を使ってアイデアを探索している様子を分析しました。 この展覧会は、彼がデュシャンの作品を観たいというところから始まっているのですが、会場は、デュシャンの代表作のひとつである『大ガラス』のレプリカがあるということで有名な美術館です。…
高木紀久子
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2025/01/07

認知科学でアートの創造プロセスを探究する|CFD006(前編):髙木紀久子(東京大学大学院)※関係者向け

認知科学でアートの創造プロセスを探究する|CFD006(前編):髙木紀久子(東京大学大学院) 東京大学×ソニーグループによる、Creative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、領域を越境し、未来へ向けた共創を先導する方々を迎える対話の場、Creative Futurists Dialoguesシリーズ(以下CFD)を展開しています。第6回目のゲストは、美術家として活動後、認知科学・認知心理学領域へと進み、特に芸術家の創作プロセスと芸術創作の教育支援について実践的な研究に従事するという、越境的な経歴を持つ髙木紀久子氏です。アートから情報デザイン、認知科学の道へとグラデーションで移り変わっていったその活動の変遷を、領域の時代背景とともにレクチャーしていただきました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 創作者から研究者へ。アートとサイエンスの認知学の変遷 社会、技術の進化とともに新しい知を創造する現代美術の複雑さ 熟達したアーティストはいかにコンセプトを設定しているのか ものを見るための目の構造と無意識のふるまい ものを見るための目の構造と無意識のふるまい筧康明(以下、筧):Creative Futurists Dialoguesの第6回目を始めます。お集まりいただきありがとうございます。今日のゲストは髙木紀久子先生です。美術家でありながら、認知科学・認知心理学、創造性の研究者でもあり、芸術創造連携機構の特任助教も務めていらっしゃいます。今日はアーティストの創造プロセスについてお話しいただき、間にワークをしながらそのエッセンスをつかむようなものをご用意いただいています。対話の時間もあるので、皆さんも準備いただければと思います。髙木さん、早速ですがよろしくお願いいたします。 髙木紀久子(以下、髙木):本日は皆様、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。お声掛けいただきました筧先生はじめ、また、このような場を設けていただいたCFIの皆様もどうもありがとうございます。今日の流れといたしましては、まず簡単に私のプロフィールをご紹介して、代表的な研究の話を二本ご説明します。その後、実際にアーティストの創作プロセスを体感するワークをして、その内容をお互いにシェアしてもらいます。最後に、全体のディスカッションをして、クロージングとさせていただきます。 今ご紹介いただいたように、私は認知科学の中では変わり者で、多摩美術大学の絵画科の油画専攻出身です。創作を通じて自分の手を動かしながら感じた概念を生成する過程に興味を持ちました。また、仕事を通じても、デジタル表現、例えばSIGGRAPHで調査をするなど、アートとサイエンスの合間の研究に関わり、人の認知へと興味関心が進みました。…
樋口恭介
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2024/12/20

マルチモーダルな技術社会で問う言語表現の彼方|CFD005(後編):樋口恭介(SF作家)※関係者向け

マルチモーダルな技術社会で問う言語表現の彼方|CFD005(後編):樋口恭介(SF作家) 東京大学×ソニーグループによる、Creative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、領域を越境し、未来へ向けた共創を先導する方々を迎える対話の場、Creative Futurists Dialoguesシリーズ(以下CFD)を展開しています。第5回目は、SF作家の樋口恭介氏をゲストにお招きし、「大規模言語モデル(LLM)」や「マルチモーダル」といった近年急激に普及したキーワードを掲げ、参加型レクチャーが行われました。対話の後半では、人間視点から捉えられてきた認知を改めて広い視点から捉え直し、言語表現のもつ特性やその解釈が及ぼす他者との越境の可能性について言及されました。前編はこちら。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 視覚表現での意思疎通へ向かう“人間らしい”マルチモーダルAI AIの書く文章を人は見抜けるのか サウンドへ介在する言語的解釈 分散化した声がアンコントローラブルに重なり合う 視覚表現での意思疎通へ向かう“人間らしい”マルチモーダルAI 筧康明(以下、筧): マルチモーダルについて、皆さんが普段からどれくらい関心を持っているのか気になっています。僕はインターフェースの研究をしているので、音声や画像、映像、さらには触覚や香りまでもを操るために、マルチモーダルやクロスモーダルについて考えることが多いです。ただ、今立ち上がっているマルチモーダルに対する関心が、その延長線上にあるものなのか、それとも全く異なる新しい現象なのかを聞きたいです。 渡邉英徳(情報学環)(以下、渡邉): 僕自身の問題意識としては、LLM自身の精度向上へ行くよりも前に、マルチモーダルの方が優先事項として挙げられて、プロンプトをテキストで書くのではなく、画像や映像の処理の方が盛り上がっていることが興味深いと思っています。その上で、それがマルチモーダルとして、暗黙の共通理解が得られているという状況が面白いと感じます。つまり、LLMが本来持っている言語的な姿勢に対して、画像や映像も読み込めるということが全く別の問題として、ある種人間らしくこしらえられているというふうに見ることもできます。…
樋口恭介
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2024/12/20

大規模言語モデル「LLM」と語らう、マルチモーダルな認知の世界|CFD005(前編):樋口恭介(SF作家)※関係者向け

大規模言語モデル「LLM」と語らう、マルチモーダルな認知の世界|CFD005(前編):樋口恭介(SF作家) 東京大学×ソニーグループによるCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、領域を越境し、未来へ向けた共創を先導する対話の場「Creative Futurists Dialoguesシリーズ(以下CFD)」を展開しています。第6回ではSF作家の樋口恭介氏を迎え、「大規模言語モデル(LLM)」や「マルチモーダル」といった近年急速に普及した概念をテーマに参加型レクチャーを実施しました。参加者とChatGPTを交えた対話では、多様な専門性を持つ人々が、マルチモーダルな言語交換の可能性と未来のスペキュレーションについて議論しました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: テキストのみならず画像や動画まで認識・生成するAIの深化 人間とAIの相対が浮き彫りにさせる認知の多様性 LLMを通じて考える動物や植物の認知世界 テキストのみならず画像や動画まで認識・生成するAIの深化筧康明(以下、筧):それではCreative Futurist Dialoguesの第6回を始めます。今日はゲストスピーカーとして樋口恭介さんにお越しいただきました。作家、編集者、コンサルタントであり、東京大学情報学環の客員准教授としても活動されています。今回のテーマは「マルチモーダル・スペキュレーション・認知の彼方」です。LLMやマルチモーダルの概念を軸に、多様な形で対話が進んでいく予定です。ぜひ皆さんも積極的にご参加ください。 樋口恭介(以下、樋口):樋口と申します。本日はよろしくお願いします。2時間という長丁場ですが、単なる講義ではなく、皆さんと対話をしながら進めたいと思います。飲み会のような雰囲気で、気軽に声をかけてください。 まず、面白いことがありました。筧先生とは今日が初対面ですが、偶然同じスニーカーを履いていました。そして、デモを行う予定だったPCが、先週の熊本出張の際に大雨の中を歩いていたら壊れてしまい、持参できませんでした。そのため、皆さんとの対話をメインに進めたいと思います。  …