「スロー」を共創する5つのアイデア──クロックタイムを越境するリジェネラティブ・デザイン|Tuukka Toivonen
東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)では、2025年末から2026年初頭にかけて「Slow Tech」というテーマのもとに短期集中型のワークショップCreative Futurists Campを実施し、東京大学の学生および研究者、ソニーグループ社員が参加しました。
記念すべき第1回目のインスピレーション・トークでは、社会学者でありリジェネラティブ・デザイン研究の第一人者であるトゥーッカ・トイボネン(Tuukka Toivonen)さんをお招きしました。トイボネンさんは現在、イギリス研究技術革新機構(UKRI)の支援を受けたプロジェクト「Becoming Regenerative(B-Regen)」をリードしており、本講座の筧康明教授もアドバイザーとして参画しています。機械的なクロックタイムから離れ、生命や伝統が持つ多層的なリズムをテクノロジーに再同期させるための「5つのアイデア」を軸に、未来の創造性を探ります。
(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のもの
TEXT: Madoka Minamisawa
PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.
リジェネラティブ・デザインが導く実社会の変容
筧 康明(以下、筧): 今回、新しく「Slow Tech」というテーマで、皆さんと一緒にプロトタイピングを試みるためにお集まりいただきました。これまで「Tech Bias」というプロジェクトをやってきましたが、今回は「リジェネラティブ」というキーワードも含めて、スローネスやスローデザインという視点から刺激をいただこうと考えています。
そこで本日は、ゲストとしてトゥーッカ・トイボネンさんをお招きしました。トゥーッカさんは「Becoming Regenerative Lab」をリードされており、私もアドバイザーとして活動を一部ご一緒しています。イギリスと日本の両拠点をブリッジしながら活動されている方です。それでは、トゥーッカさんに最初のレクチャーをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
トゥーッカ・トイボネン(以下、トイボネン): 皆さんこんばんは。今日は「Slow Tech」というテーマを受けて、「時間とイノベーション」、「転換点」、そして「リジェネレーション(再生)」という3つの観点から、5つのアイデアを問題提起したいと思っています。
僕はもともと社会学者ですが、自己分析をしてみると、結局「多文化的な会話」が一番好きなんです。自分の周りにはいつも、歴史学者や天文学者といった多様な分野の友人がいました。自分自身、物事の99.9%のことには関心がないけれど、残りの0.1%を深掘りするのが好きな、そんな研究者です。
まずは経歴を簡単にお話しすると、私は18歳までフィンランドにいました。兵役義務があるので軍隊に入ったのですが、それがもう退屈で(笑)。その一週間後には、すぐにアメリカに飛んでミュージカルで1年間ほどギターを弾かせていただいた。その後、日本の文化と言語を深く学びたいと思って、当時できたばかりだった立命館アジア太平洋大学(APU)に留学したんです。その後はオックスフォード大学に辿り着いて、社会学の博士課程で日本の若者政策や社会起業の研究を経てロンドンへ。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で働いたり、2019年からはロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校(UAL CSM)で「イノベーション・マネジメント」という、デザインと社会科学を組み合わせたハイブリッドなコースのリーダーを5年ほど務めました。
今はラフバラ大学ロンドンにラボの物理的な拠点を構えています。僕たちのラボは、イギリス研究技術革新機構(UKRI)から研究資金をいただいて、「Becoming Regenerative(B-Regen)」という3年間のプロジェクトを運営しています。筧先生にもアドバイザーとして入っていただき、本当に大事なフィードバックをいただいています。
では、なぜこの研究が必要なのか。それは、「リジェネラティブ」に関する理論や教科書的なものは多いけれど、実際にラボを超えてアイデアが企業という形式をとったとき、実社会でどう実行され、成長していくのかという研究がほとんどないからです。僕たちが研究対象にしているのは、ナノセルロースでスニーカーを「育てる」Modern Synthesisや、藻類を使ってプラスチック代替マテリアルを作るNotplaといったスタートアップです。日本でも、都市の微生物の多様性を高めようとするBIOTAや、8世代・1500年以上の歴史がある神社の伝統を紡ぐソウワ・ディライトなど約10社を見ています。そういった企業の事例を追いながら、実社会の研究を進めています。
それでは、本題の5つのアイデアに入っていきましょう。
Idea 1:時間とは何か?——「早い」「遅い」を規定するものの正体
トイボネン: まず最初に、時間とは何なのか。「Slow Tech」という概念を考えることは、時間のあり方そのものを問うことでもあります。早いのも遅いのも、相対的な時間の感覚です。時間の概念がないと「スロー」という言葉自体が成立しないわけです。
僕たちは「クロックタイム」、つまり時計のようにメカニスティックな時間によって動いていますよね。いろんな意味で、私たちはデジタルな時間に厳密に管理されているのかもしれない。でも逆説的に考えれば、時間というもの自体が生きた現象だという考え方も生じます。つまり、時間は生命そのものが共創するものなのではないか、ということですね。
たとえばカール・フォン・リンネという博物学者は、特定の時間に花を咲かせる植物を並べた「花時計」を構想した。生命には独自のリズムがあります。そもそも私たちが完璧だと思っている数学的な時間……1日24時間、1年365日というのも、太陽の時間と照らし合わせれば決して正確な数字ではない。
植物が時間のシンフォニーの中で生きているように、春になれば花が咲き、昆虫が動き出す。それらが全てタイミングを合わせている「オーケストレーション」の状態を、何百倍、何千倍に拡大してみたらどうなるか。世界と世界のタイムキーピング、すなわち壮大なシンフォニーが見えてくるはずです。
こうした時間の考え方が変われば、デザインのあり方も変わる。たとえば、AIを活用して「蜂の視点」からガーデンを設計する『POLLINATOR PATHMAKER』というプロジェクトがあります。これは「非人間中心のデザイン」の実践であり、人間中心の尺度ではなく、蜂や蝶といった受粉者の生命リズムに合わせた植栽をAIが生成するものです。時間の知覚や捉え方を変えることで、デザインという行為そのものが、人間以外の生命のリズムに寄り添うものへと変容していくのではないかと思います。
Idea 2:あなたは時間をどう体現するか?——多層的なリズムとしての身体
トイボネン: 自然自体が時間を作るという提案がある一方で、では「どのように自分の身体において時間が創られるのか」という問いがあります。僕たちはロボットになる前の一匹の動物、バイオロジカルな存在です。
クロノバイオロジー(時間生物学)的な視点で見ると、体内には数多くのリズムが存在します。面白い事例ですが、体内のお腹の微生物だって時差ボケになるんです。なぜなら、彼らにも食べる時間と休む時間のリズムがあるから。その何十億の微生物が体内にあるので、リズムが合わなくなると現実的な不調に繋がる。意識研究においても、私たちは時間の制約の中にいます。自分で意識していなくても、意識の一番短い範囲は100ミリ秒から300ミリ秒ほどであると言われています。また、脳波の状態によって知覚も変わります。
こうした様々な身体的リズムが私たちの体を構成しています。もちろん哲学的な問題もありますが、これらをすべて時計的な時間に還元しようと思ったら、多くのものを見逃してしまうはずなんです。
ここでドイツの心理学者であり哲学者でもあるトマス・フックス(Thomas Fuchs)を紹介したいと思います。彼はエコロジカルな脳科学を推奨していますが、「自分たちの身体感覚で生きていなければ、地球とも繋がれないし、地球を住みやすい形でも保てない」と提案しています。個人的にも本当にその通りだと思っています。
確かに人間の知覚や意識というものはあるけれど、やはり根本的に自分たちは生物学的存在なんですね。少なくともロボットに変わるまでは、私たちはこの身体のリズムと共に生きる。この身体のあり方を「Slow Tech」にどう応用できるか、ぜひ皆さんの意見を聞きたいです。
Idea 3:古くて時代を超越したものに基づき、新しく速いものを作れるか?
トイボネン: 日本の思想、文化、美学には、2000年以上の歴史があります。でも、本当に古いものをただの言葉として語るのではなく、本当の意味でクリエイションの「素材」にして何かを生み出せるか。皆さんにもぜひ、そうした挑戦をしてほしいと思っています。
ここで、ある事例を紹介します。アデルやレッド・ホット・チリ・ペッパーズを手がけたことで知られる音楽プロデューサー、リック・ルービン(Rick Rubin)です。彼の創作的哲学が詰まった著書『リック・ルービンの創作術』には、朝にコーヒーを飲みながらクリエイティビティが刺激されるような平和な言葉が並んでいます。
そして意外なことに、彼はTime誌が発表するAIにおける世界で最も影響力のある100人のリスト「TIME100 AI 2025」に選出されたんですね。彼の創造的哲学をプログラミングやAIとの対話に適用した手法「ワイルドコーディング」が大きな注目を浴び、ある種の社会現象にまでなりました。彼にはAIスタートアップのAnthropic社に友人がいるんですが、コーディングの知識が全くなくても、Anthropic社のコードを活かしながら自分の直感的なプロンプトだけでコーディングできるという手法を生み出した。それを『The Way of Code』という書籍をベースにしたウェブサイトで、一般向けに公開しているんですね。
驚くべきは、彼が三千年前の道教の本『老子道徳経』に基づき、哲学ファーストでコーディングやプロンプティングを捉え直している点です。時間を超えたAIに「知れるもの」と「知れないもの」、あるいはコーダーが「感じるもの」と「感じないもの」。それを「タオ(道)」の哲学を前提に捉えることで、AIとの共創プロセスそのものを変容させていく。この「日本バージョン」として、日本の哲学を経てAIを作ったらどうなるだろう。これは非常に面白い問いになるはずです。
実は個人的に嬉しいエピソードがあって、リックが主催する『Tetragrammaton(テトラグラマトン)』というポッドキャストがあるのですが、そこで去年運良く彼と会う機会がありました。今日僕がお話ししている内容は、主に彼のウェブサイトに寄稿したエッセイに基づいています。
Idea 4:時間の仲介役になれ——異なるリズムの間に立ち、シナジーを見出す
トイボネン: 世界には、多様な時間軸や時間の流れが存在しています。もし皆さんがテクノロジーを作り、デザインを立ち上げ、会社を興すなら、それは単なる「起業家」になるということではありません。実は、それらの異なる時間軸の間に立つ「時間性の仲介役(Temporal Mediator)」になるということなんじゃないかなと思います。異なるリズムを持ったシステムの間にシナジーを引き出す作業です。
いま、私たちの世界では「生態系」のリズムと、「経済」のリズムが完全に断絶してしまっています。現在の経済は、アダム・スミス的な発想に基づいた、人間が狭い社会の中で作り上げた人工的な仕組みです。400〜500年前の地域社会であれば、もっと環境や自然と繋がっていたはずですが、今はそこが切り離されている。
リジェネラティブなデザイナーや企業がやろうとしているのは、その間に入って、一見「不可能な仕事」を成立させることです。これをどう実現できるか。まずは、生き物、人間のためになる経済を作りたいという好奇心、ケアの心を持つこと。そして、広い知覚を持ち、センシティブに観察すること。いろんな分野のニッチな専門家に遠慮なく声をかけてみること。自らの広い幅の知識と経験を作っていくこと。 最後はやはりその点と点と点を結ぶような力、そしてこの全てを誰も聞いたことないような形で伝えることです。多様なステークホルダーや投資家を説得できるような人材が必要とされています。機械的な時間に引き戻されないように、「時間は複数である」と意識的に抗う必要があるんです。
たとえば、Rhizocoreという会社があります。森林再生のために木を植えても、実は3〜4割が死んでしまう。理由は、その土地固有の菌類が欠落しているからです。Rhizocoreは、その土地の特性に沿った菌類のタブレットを一緒に植えることで、生存率を2倍に高めています。これは90年、100年という超長期の時間軸を見越したビジネスです。
もっと直感的な時間軸の事例なら、セントラル・セント・マーチンズのアーティスト、ヘザー・バーネット(Heather Barnett)の活動が挙げられます。粘菌の動きをタイムラプスでスピードアップすることで、普段の人間の時間軸では見えない「インテリジェンス」を可視化する。こうした時間の翻訳もまた、仲介役の仕事です。
こうした「時間性の仲介」は、実はすごく遊び心を持ってできることなんです。僕のコラボレーターであるコイ・アレクサンダー(Quoi Alexander)は、国東半島の伝統を研究した上で、あえて「使い捨てていい草履」を作りました。地域の素材で作られ、土地に置けばそのまま溶け込んでいく。これは、速すぎる「ファストファッション」という経済を、遊び心を持って内部からハックし、撹乱しようとする試みです。
そして今、僕が一番ワクワクしているプロジェクトの種があります。先日日本に来たYouTubeの友人と話していたのですが、彼は日本の「ヲタ芸」に感動していました。あの激しく光るサイリウム。今はプラスチックと毒性のある化学物質の塊ですが、もしこれを「リジェネレート(再生)」できたら?日本のポップカルチャーの中に、自然を良くしていく素材とやり方をこっそり忍び込ませる。若者文化の一環でありながら、全く違う経済を促す。万が一これが実現したら、どれほど象徴的なことでしょう。こうした小さな「遊び」から、新しい経済は表現できると思っています。このプロジェクトに参加したい人がいたら、ぜひお知らせください。今話したことはこちらのエッセイになっているので、興味があればぜひ読んでみてください。
Idea 5:テクノロジー設計に「包括的な知性」を適用できるか?
トイボネン: 最後のポイントは、人間の知性と知能をどのように最大限に活かすかという問いです。僕はこれを「包括的な知性(ホリスティック・インテリジェンス)」と呼びたいと思います。アーティストが持っているような感情、知性、知覚。もしこれらをテクノロジーやデザインに応用できたら、もっと面白いものが生じるのではないでしょうか。
たとえば、検索エンジンのECOSIA。彼らは最近AI分野にも進出していますが、徹底して持続可能なエネルギーだけでシステムを回しています。さらに、OpenAIのような企業とは対照的に、ユーザーのプライバシーを厳格に守り、データを搾取しない姿勢を貫いています。
彼らがイノベーションの観点から面白いのは、「Climate Nobel Prize(気候ノーベル賞)」を推進している点です。現状のノーベル賞は、人類の未来を守るような環境活動が十分に報われる仕組みになっていません。彼らがそれを自ら賞として推進しているのは、マーケティングキャンペーンとしても賢いし、何よりリジェネラティブな思想として非常に合理的です。
もう一つの重要な視点は、Center for Humane Technologyの共同創設者であるトリスタン・ハリス(Tristan Harris)の議論です。彼は以前、有名なポッドキャスト『DOAC』に出演した際、現在のトップAI企業による覇権争いを厳しく批判しました。
現状、多くの企業が「中国勢に勝たなければならない」といった政治的・経済的な理屈でAI開発を正当化していますが、それは本来あるべき議論ではないと。トリスタンは、もっと「人間に対して、子供に対して、そして自然に対して良いAI」が作れるはずだと、包括的なアプローチをとる必要性を説いています。
日本にも、こうした包括的なアプローチをとっている方は絶対にいるはずです。もし皆さんの周りにそんな実践者がいたら、ぜひ教えてください。
Q&A:時間感覚、身体性、イノベーション
参加者: 私は「ディープタイム」という概念を軸に考えています。人類が誕生する前の世界や、あるいはポスト人新世の世界のデザインを、どのように今の世界と結びつけていくべきかという点に苦心しており、そのアイデアを探しています。
この探求の目的は、地球温暖化が加速する現代において、あえて人類以前の遠い過去の世界を参照することで、現代の行き詰まりを打破するような解決策や、私たちの認識を根本から変えるようなヒントが得られるのではないか、というところにあります。
トイボネン: 今の社会でそのような大きな時間軸を語ることは、説明が難しかったり、周囲から少し奇妙に思われたりすることもあるかもしれませんね。ですが、それは非常に重要な視点です。
地質学に携わる人々であれば、その「ディープタイム」の概念を間違いなく理解してくれるでしょう。今、この概念は一般的にも少しずつ浸透し始めているように感じます。人類の前、そして人類の後という視点を持つことは、今の人間社会が狭めてしまっている「時間感覚」を拡張する、非常に大きな貢献になるはずです。
参加者: 時間というものがすべてを繋いでいるというお話に関連して、メディアによる「個人の時間の奪い合い」について考えています。現代の動画やコンテンツ産業は、脳に直接刺激を与えるデータを垂れ流すことで、私たちの時間をハックしているように見えます。そこには、身体に着地した時間感覚という質感が欠けているのではないでしょうか。
例えば、デジタル時計は記号的な情報であり、物理的な感覚とマッチせず勝手に進んでいる感覚があります。対してアナログ時計は、自分の時間感覚を「身体化」させてくれる役割がありました。人間には意識に上がってこない「無意識の時間(生体リズム)」がありますが、今のメディアは視聴覚情報だけでこの領域を占有し、身体性から切り離したまま時間を奪っている気がします。
私は触覚の研究をしていますが、ハプティクス(触覚フィードバック)がある体験では、「自分という主体」がそこにいる感覚が発生し、体験が身体に接地します。視聴覚だけに偏るのではなく、こうした「接地した体験」こそが、これからのメディアの健全な在り方ではないかと考えています。
トイボネン: すごく大事な視点だと思います。ハプティクスの有無や、Zoomでのコミュニケーションと対面での違いなど、脳科学的な観点からも興味深いですね。1対1で実際に会うのとオンラインでは、脳のアクティベーションパターンが異なります。ハプティクスによる「接地感」の有無は、脳への影響に直結するでしょう。「何が健全なのか」という問いは、非常に深いクエスチョンです。
参加者: このようなリジェネラティブなプロジェクトを事業化しようとするときに、ある種の「危機」のようなものを感じることがあります。資本主義、あるいはマルクス主義的な考え方であっても、結局は「時間を管理可能なものとして設定する」という枠組みに囚われてしまうのではないかという懸念です。
こうしたプロジェクトをあえて採用する際、既存の「統計的な時間」との関係性をどのように示し、その意義やインパクトを提示していけばよいのでしょうか。資本主義を内側から変えていくような、リジェネラティブな会社やデザインの在り方について、ヒントをいただきたいです。
トイボネン: 非常に無限の意味とインパクトを含んだ、素晴らしい視点ですね。リジェネラティブなデザインや会社を目指すなら、まずは「生態系」から学ぶことが基本になります。自然界でどのようなスピードや循環が起きているのかを意識した上で、それをイノベーションのベースに据える。その「間」に立つのが、デザイナーであり起業家なのだと思います。
資本主義的な視点から見れば、私たちが今持っている「狭い時間感覚」を広げていくことが重要です。デザインスクールや大学、あるいはこのゼミのような場所で何かを設計する際に、「時間そのものを考え直しましょう」と提案すること自体が、一つの重要な事例になります。
まずは、「僕たちは今、こういう限られた時間感覚の中にいるんだ」ということを自覚すること。自覚がなければ、イノベーションも起きません。
テクノロジーの時間は様々ですが、花や菌類、あるいは惑星によっても時間のスピードは異なります。遅いタイミングも速いスピードも、その中間もすべて必要です。アートという手段を通じてその多様な時間を「自覚」することは、非常に大事なステップだと思います。
