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CFD_関係者向け
2024/06/07

誰でもできるエスノグラフィーのはじめかた|CFD002(後編):藤田結子(大学院情報学環准教授)※関係者向け

誰でもできるエスノグラフィーのはじめかた|CFD002(後編):藤田結子(大学院情報学環准教授) 東京大学×ソニーグループ株式会社による「越境的未来共創社会連携講座」(通称 Creative Futurists Initiative:CFI)から生まれた新企画「Creative Futurists Dialogues」。第二回目となる今回のテーマは「現代エスノグラフィー」。ゲスト講師として情報学環から藤田結子准教授を迎え、エスノグラフィーの実践ワークショップを行った。メモの取り方、メモをもとにつくるフィールドノートという資料を作るための具体的な手順とポイントについて、実践とフィードバックを通じてレクチャーされ、今後のCFIの研究活動にもつながる方法論が共有された。前編はこちら。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 主観と客観は明確に分ける。正確なメモをつくる方法とは ある一つの出来事でも、調査者によって異なる物語が残る 現場の再現性を高めるデータをつくるポイント 主観と客観は明確に分ける。正確なメモをつくる方法とは藤田結子(以下、藤田):今日はさわりだけですが、エスノグラフィーの学術における期間を設定するための理論的方法は、明らかにしたいことについて十分なデータが集まり、もうこれ以上新しいことは出てこないだろう、と思ったら終了になります。なので1年以上必要と言われることが多くて、5年、10年の調査もたくさんあるんです。だけれども、ビジネスなどが関わってくると、予算や期限のために調査期間は1日から数週間と比較的短くなってしまいます。その中でできる範囲でやらなければならない時に、どうやるのか? ということを見ていきましょう。まず最初に、現場に入る(エントリする)というのはすごく難しいんですね。みんな苦労するんですけれども、入って調査していいという許可を得ることがすごく難しい。なぜなら、知らない人が自分のフィールドにやってきて観察されるというのは、少し思うところがありますよね。ですが企業がやる場合は、お金を払ったりすることもできるので、エントリしやすい側面もあるのかなと思います。   次に、参与観察を行ってメモをとった後に、家やカフェでもう一度フィールドノートを書き上げるという作業をします。色々な実験でデータというものは取られていますが、エスノグラフィーにおいては、これこそがデータになるんですね。ある程度データがたまったら、そこからフォーマル・インタビューでさらに聞きたいことを聞いていきます。その後の5番目が抜けがちなものだと思うんですけれども、ある程度たまったフィールドノートを、データとしてコーディング等を用いながら分析します。データ分析には色々な方法、ソフトウェアがあるんですけれども、すごく細かくコーディングをして、データから叩き上げるような流派もあれば、テキストを繰り返し読んで理解しようというタイプの人もいます。それは研究にもよりますが、色々なタイプがあって、メリット、デメリットについて色々な議論があります。今日の実践ではデータ分析はやりませんが、最後の手順としてはそれを元に報告書、レポートを書くということですね。今日は手順の2番目と3番目を実際にやってみたいと思います。フィールドワークの現場では、まずメモを取り、そのメモをもとにフィールドノートを作ります。あとは、インタビューの書き起こしや、他にもよくあるのはフィールドワークに関して事実とは別に、自分自身が感じたことについて日記を書くというものがあります。なぜなら、その事実と自分の主観を切り分けられる前提、つまり「客観性」の担保がもとになるということです。そうでなくても、自分が見たものと自分の判断とを分けることができます。では、ここからボランティアのお二人に来てもらって、お話をしたり、遊んだりしてもらいます。その様子を皆さんで観察して、メモをとります。メモは文章ではなく、箇条書きで良いです。他にはスケッチやデッサンも良いと思います。後でそれを見て、より詳しいフィールドノートのレポートを書くときのことを思い浮かべてください。そして、人間というのは常にメモを取っていないと、さっき言ったばかりのことですら忘れてしまうものなので、とにかく全部メモを取ることが必要です。ヒントとなる単語でも良いです。 このような教室ではメモを取りやすいですが、メモを書きにくい現場、例えばクラブでエスノグラフィーを行う時に、みんなが踊っている中ではなかなかメモはできない。そういう時はトイレとかに行ってこっそり書く。本当にそう思います。それを研究者たちは真面目に議論しているんです。メモはすごく重要で、そこまでして、この現場で起こった相互行為や振る舞い、会話について、詳細を書き留める時間がないので、後で思い出すためのヒントとして書いていくんです。…
CFD_関係者向け
2024/06/07

エスノグラフィーから異文化を知り、フィールドを超える|CFD002(前編):藤田結子(大学院情報学環准教授)※関係者向け

エスノグラフィーから異文化を知り、フィールドを超える|CFD002(前編):藤田結子(大学院情報学環准教授) 東京大学×ソニーグループ株式会社による「越境的未来共創社会連携講座」(通称: Creative Futurists Initiative)から生まれた新企画「Creative Futurists Dialogues」。第二回目となる今回は、情報学環准教授の藤田結子准教授を招き、文化人類学の調査方法の一つである「エスノグラフィー」をテーマに、ビジネスやデザインなど、様々な領域で応用される現代のエスノグラフィーについて、基本を学ぶレクチャーと実践ワークショップを行った。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 「エスノグラフィー」とはそもそも何なのか? あらゆるものや行動の裏に潜む「意味」を明らかにしていく ビジネスとデザインにおけるエスノグラフィーの応用 筧康明(以下、筧):これよりCreative Dialogues 第二回目を始めていきたいと思います。皆さんご参加いただきありがとうございます。前回の第一回目にも参加いただいた方と、今日初めて参加いただく方とがいると思いますが、東京大学とソニーグループが昨年末より新しい社会連携講座「越境的未来共創社会連携講座」を立ち上げました。通称:Creative Futurists Initiative(CFI)…
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2024/06/06

分野の壁をときほぐす「越境者」の思考法に迫る|CFD-001(後編):筧康明&戸村朝子

分野の壁をときほぐす「越境者」の思考法に迫る|CFD-001(後編):筧康明&戸村朝子 「越境的未来共創社会連携講座」(通称: Creative Futurists Initiative)は、教育活動と研究活動で構成される。前者のアプローチの一つとして2024年4月に始動した「Creative Futurists Dialogues」の第一回目レポートの後編をお届けする。登壇した筧康明教授とソニーグループ・戸村朝子氏に加え、東京大学、ソニーグループからの参加者も加わり、「越境の先の価値創造」という難しいチャレンジに今現在向き合う中で感じている、課題や疑問について対話が繰り広げられた。異なる分野の壁を溶きほぐし、乗り越え、さらには新たな分野をつくり…、第一線に立つからこそ見えてくる、彼ら彼女らのリアルな問題意識とは何か?前編はこちら。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 孤独からはじまる新しい取り組みに周囲をいかに巻き込むか 続けるために変わるという態度 「先鋭・先端」とは何か? を疑ってみる 主観と客観を行き来して美意識を育む 自分の中の「見えていない部分」に光を当てる 越境のマインドセットは反論に耳を傾けること 全員がプレーヤー。運動体としての「CFI」…
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2024/06/06

分野の壁をときほぐす「越境者」の思考法に迫る|CFD-001(後編):筧康明&戸村朝子 ※関係者向け

分野の壁をときほぐす「越境者」の思考法に迫る|CFD-001(後編):筧康明&戸村朝子 「越境的未来共創社会連携講座」(通称: Creative Futurists Initiative)は、教育活動と研究活動で構成される。前者のアプローチの一つとして2024年4月に始動した「Creative Futurists Dialogues」の第一回目レポートの後編をお届けする。登壇した筧康明教授とソニーグループ・戸村朝子氏に加え、東京大学、ソニーグループからの参加者も加わり、「越境の先の価値創造」という難しいチャレンジに今現在向き合う中で感じている、課題や疑問について対話が繰り広げられた。異なる分野の壁を溶きほぐし、乗り越え、さらには新たな分野をつくり…、第一線に立つからこそ見えてくる、彼ら彼女らのリアルな問題意識とは何か?前編はこちら。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 孤独からはじまる新しい取り組みに周囲をいかに巻き込むか 続けるために変わるという態度 「先鋭・先端」とは何か? を疑ってみる 主観と客観を行き来して美意識を育む 自分の中の「見えていない部分」に光を当てる 越境のマインドセットは反論に耳を傾けること 全員がプレーヤー。運動体としての「CFI」…
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2024/06/05

「越境」する人材とは?東大×ソニー連携講座から対話プログラムが始動|CFD-001(前編):筧康明&戸村朝子 ※関係者向け

「越境」する人材とは?東大×ソニー連携講座から対話プログラムが始動|CFD-001(前編):筧康明&戸村朝子 2023年12月より東京大学 大学院情報学環に設置、ソニーグループ株式会社との協働を行う「越境的未来共創社会連携講座」(通称: Creative Futurists Initiative)。批評的、創造的アプローチを両立し領域を横断する人材の育成と研究に取り組む本講座では、教育的側面からの実践の場として新企画を始動。各回にゲスト講師を招き、対話やワークショップを行う「Creative Futurists Dialogues」の第一回目をレポートする。まずは、Creative Futurists Initiative(以下、CFI)の設立メンバーである筧康明とソニーグループ・戸村朝子がこれまでに実践してきた、異分野の交わりの中で創造されたものづくりの事例が紹介された。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 「Creative Futurist」を紐解く三本の軸 実践的なワークショップを織り交ぜた「レクチャーシリーズ」 国内外の研究者、エンジニア、アーティストらが登壇予定 即興的にふるまうマテリアルとその周囲の体験をデザインする…
CFD_Publicイベントレポート
2024/06/05

「越境」する人材とは?東大×ソニー連携講座から対話プログラムが始動|CFD-001(前編):筧康明&戸村朝子

「越境」する人材とは?東大×ソニー連携講座から対話プログラムが始動|CFD-001(前編):筧康明&戸村朝子 2023年12月より東京大学 大学院情報学環に設置、ソニーグループ株式会社との協働を行う「越境的未来共創社会連携講座」(通称: Creative Futurists Initiative)。批評的、創造的アプローチを両立し領域を横断する人材の育成と研究に取り組む本講座では、教育的側面からの実践の場として新企画を始動。各回にゲスト講師を招き、対話やワークショップを行う「Creative Futurists Dialogues」の第一回目をレポートする。まずは、Creative Futurists Initiative(以下、CFI)の設立メンバーである筧康明とソニーグループ・戸村朝子がこれまでに実践してきた、異分野の交わりの中で創造されたものづくりの事例が紹介された。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 「Creative Futurist」を紐解く三本の軸 実践的なワークショップを織り交ぜた「レクチャーシリーズ」 国内外の研究者、エンジニア、アーティストらが登壇予定 即興的にふるまうマテリアルとその周囲の体験をデザインする…