WebサイトのジェンダーバイアスをAIが評価する《 scored?》|『TECH BIAS -テクノロジーはバイアスを解決できるのか?』:インタビュー 東京大学とソニーグループ株式会社による「越境的未来共創社会連携講座(通称:Creative Futurists Initiative、以下CFI)」では、8ヶ月間にわたる講座内の実践研究プロジェクトの成果発表として、2024年11月23~25日の3日間、東京大学本郷キャンパスにおいて「Tech Bias —テクノロジーはバイアスを解決できるのか?」展を開催。出展した4グループのみなさんにインタビューを行ないました。今回は、Webサイトの女/男らしさについてAIに評価させ、そのデータを分析を通じてAIのバイアスを考察しながら、私たちの中に潜む固定観念についても再認識を生むような作品《 scored?》について、お話を伺いました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: Kaori Nishida PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 700のWebサイトに潜むバイアスを3種のLLMが解析 AIにもバイアスはある 一覧データが浮き彫りにするそれぞれの違和感 700のWebサイトに潜むバイアスを3種のLLMが解析この作品は、Webサイトの女/男らしさについてAIに評価させ、一覧化することで、そこに内包されたテクノロジーが内包するジェンダーバイアスを視覚化させるという作品です。人類のアウトプットの集積であるAIの評価を分析を通じて、ジェンダー表象のあり方を再考し、日常に浸透するテクノロジーの中に潜む隔たりを体感的に問いかけています。 今回、Webサイトをトピックとして選んだ理由は、非常に幅広く、年代やトピックを問わずに多種多様なものが存在しているからです。世界ではほぼ無限とも言える数のWebサイトが作られており、自主的にも調査しやすい媒体です。また、あるターゲットをもとにしたWebサイトのデザインやアニメーション、構成などは全てコーディングによって作られるため、主観的な要素でもそのコードを通じて客観的に分析できるという利点があります。例えば、フライヤーやポスターのような物理的な媒体では、データへの変換は容易ではないため、そのデザインや内容を分析することは難しいかもしれません。しかし、Webサイトであれば、簡単に膨大なデータを収集でき、かつ先ほど述べたような客観的な分析が可能です。今回の調査では、Webサイトのスクリーンショットなどの画像ではなく、URLをデータとして使用したことで、効率的にデータを集められました。Webサイトの解析は、URLを指定すると、それをAIが認識・解析する形になっています。AIは文字認識や画像認識を通じてデータを処理し、内容やデザイン、ターゲット層の特性を考慮し、私たちの考案したプロンプトを用いて、「女らしさ」「男らしさ」をスコアリングさせました。「スコア」という言葉を使っているのは、展示では表示していませんが、数値データを出させているためです。 今回使用した大規模言語モデル(LLM)は、ChatGPT、Gemini、Perplexityの3つです。この3つのLLMにはそれぞれの特性があり、ChatGPTでは女らしさ/男らしさに対して非常に高いスコア(90点など)が出やすい一方、Geminiは50点から80点程度の範囲内で結果を出す傾向があり、より安定したスコアを示しました。Perplexityはさらにニュートラルな結果を目指しているのが特徴です。…







