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CFD_Public
2026/03/22

3秒でわからなくていい——「空気の芸術」と共に在ること|CFD009:三原聡一郎(アーティスト)

3秒でわからなくていい——「空気の芸術」と共に在ること|CFD009:三原聡一郎(アーティスト) 東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第9回は、アーティストの三原聡一郎さんを迎えました。 かつて山口情報芸術センター[YCAM]在職時のプロジェクトを通じ、筧教授と「触覚」の探究を共にしてきた三原さん。震災を機に、ブラックボックス化したインフラを自作する試みから、関心は「空気」へと移ります。音、水、微生物——制御しきれない現象との対話から生まれる、環境への新たな眼差しをレポートします。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: サウンドから始まる「空気」への回帰 東日本大震災と「空白のプロジェクト」 振動・粒子・呼吸、三つの装置を巡る対話 3秒で理解されるより、30分滞在すること 空気と共に在るレシピ サウンドから始まる「空気」への回帰筧康明(以下、筧): 三原さんとは2011年頃に、触覚のプロジェクトで密に議論した仲です。今日は「空気の芸術」というタイトルで、装置もいくつか持ってきていただきました。対話できる場にしたいと思っています。 三原聡一郎(以下、三原):…
CFD_関係者向け
2026/03/22

3秒でわからなくていい——「空気の芸術」と共に在ること|CFD009:三原聡一郎(アーティスト)※関係者向け

3秒でわからなくていい——「空気の芸術」と共に在ること|CFD009:三原聡一郎(アーティスト) 東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第9回は、アーティストの三原聡一郎さんを迎えました。 かつて山口情報芸術センター[YCAM]在職時のプロジェクトを通じ、筧教授と「触覚」の探究を共にしてきた三原さん。震災を機に、ブラックボックス化したインフラを自作する試みから、関心は「空気」へと移ります。音、水、微生物——制御しきれない現象との対話から生まれる、環境への新たな眼差しをレポートします。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Madoka Minamisawa PHOTOGRAPH: Yasuaki Kakehi Laboratory PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: サウンドから始まる「空気」への回帰 東日本大震災と「空白のプロジェクト」 振動・粒子・呼吸、三つの装置を巡る対話 3秒で理解されるより、30分滞在すること 空気と共に在るレシピ サウンドから始まる「空気」への回帰筧康明(以下、筧): 三原さんとは2011年頃に、触覚のプロジェクトで密に議論した仲です。今日は「空気の芸術」というタイトルで、装置もいくつか持ってきていただきました。対話できる場にしたいと思っています。 三原聡一郎(以下、三原):…
Slow Techイベントレポート
2026/03/02

6つのプロトタイプが問い直す「遅さ」の設計:SlowTech #0 公開成果発表レポート

6つのプロトタイプが問い直す「遅さ」の設計:SlowTech #0 公開成果発表レポート2026年1月13日に東京大学 本郷キャンパスの福武ホールにて、『東京大学×ソニーグループ 越境的未来共創社会連携講座Creative Futurists Camp「SlowTech #0:公開成果発表」』が行われました。本稿では、参加した6グループが制作したプロトタイプとともに、同日夕方に行われたトークイベントの様子をレポートします。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Mirei Takahashi PHOTOGRAPH: Hiroshi Makino PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: Slow Techとは何か? 発表された6つのプロトタイプ なぜいま、Creative Futurists Camp:SlowTech #0なのか? ともに生きるための技術のありかたを模索する…
Tech Biasイベントレポート
2025/12/26

人文知とアート、工学のコラボレーションでバイアスを可視化する4つの挑戦:『TECH BIAS 2 ―分類されない「わたし」』展 プレゼンテーションレポート

人文知とアート、工学のコラボレーションでバイアスを可視化する4つの挑戦:『TECH BIAS 2 ―分類されない「わたし」』展 プレゼンテーションレポート国立大学法人東京大学とソニーグループ株式会社の協働のもと、東京大学大学院情報学環は2023年12月に、越境的未来共創社会連携講座(CFI:Creative Futurists Initiative)を設置しました。本講座は、アート・デザイン・工学を通じた創造的アプローチを手掛かりに、未来に向けた問題提起と課題解決を行うクリエイティブ・フューチャリストを育成することを目的としています。 2025年度は約7か月に渡るプロジェクト『TECH BIAS 2―分類されない「わたし」』が進められました。本稿では、2025年10月25日から27日にかけて公開された展示にフォーカスした前編に引き続き、26日夕方に実施されたプレゼンテーション内の4チームによる発表に対する講評とディスカッションの様子をお伝えします冒頭では、東京大学大学院情報学環教授の筧 康明氏が、越境的未来共創社会連携講座(Creative Futurists Initiative)および2025年度に実施したプロジェクト『TECH BIAS 2―分類されない「わたし」』の趣旨について紹介しました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Mirei Takahashi PHOTOGRAPH: Hiroshi Makino PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: バイアスの解釈と対峙に関する4チームの視点…
Tech Biasイベントレポート
2025/12/26

テクノロジーとバイアスを見つめ直し、洗い直し、作り直していく:『TECH BIAS 2―分類されない「わたし」』展レポート

テクノロジーとバイアスを見つめ直し、洗い直し、作り直していく|『TECH BIAS 2―分類されない「わたし」』展レポート国立大学法人東京大学とソニーグループ株式会社の協働のもと、東京大学大学院情報学環は2023年12月に、越境的未来共創社会連携講座(CFI:Creative Futurists Initiative)を設置しました。本講座は、アート・デザイン・工学を通じた創造的アプローチを手掛かりに、未来に向けた問題提起と課題解決を行うクリエイティブ・フューチャリストを育成することを目的としています。 2024年度に行われたテクノロジーを取り巻くバイアスをテーマにした実践研究プロジェクト『TECH BIAS -テクノロジーはバイアスを解決できるのか?』に続き、2025年度は約7か月に渡るプロジェクト『TECH BIAS 2―分類されない「わたし」』が進められました。本稿では、2025年10月25日から27日にかけて公開された展示にフォーカスした前編と、26日夕方に行われた各チームによるプレゼンテーションに対する講評をメインにした後編の2本に分けて、その成果をお伝えします。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Mirei Takahashi PHOTOGRAPH: Hiroshi Makino PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: Tech Bias プロジェクトとは? プロジェクトの進め方 Label Me!…
CFD_Public
2025/09/10

AI x Creators:Pushing Creative Abilities to the Next Level — 4つのステップで考えるAIと音楽クリエイションの関係|CFD-007:光藤祐基

AI x Creators:Pushing Creative Abilities to the Next Level — 4つのステップで考えるAIと音楽クリエイションの関係|CFD-007:光藤祐基 東京大学とソニーグループが共同で運営するCreative Futurists Initiative(以下CFI、越境的未来共創社会連携講座)は、異なる領域を越えて未来の共創をリードする方々を迎える対話の場「Creative Futurists Dialogues」シリーズ(以下CFD)を展開しています。第7回目のゲストはSony AIのCorporate Distinguished Engineer、光藤祐基さんです。 光藤さんは、AIが音楽クリエイションにどのように活用されるかを四つのステップに分けて解説し、AIとクリエイターの関係について具体的な事例を交えながら紹介しました。また、クリエイターの表現力を引き上げるために必要な要素についてもレクチャーしていただきました。後半では、4ステップ全てを網羅したユースケースの紹介と、AIからクリエイターを守る方法について議論しました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Haruna Mori PHOTOGRAPH: Yasuaki…
Tech Biasインタビュー
2025/01/27

差異を並べて味わう《私たちを計量しないために》《バイアス推理カード》|『TECH BIAS -テクノロジーはバイアスを解決できるのか?』:インタビュー

差異を並べて味わう《私たちを計量しないために》《バイアス推理カード》|『TECH BIAS -テクノロジーはバイアスを解決できるのか?』:インタビュー 東京大学とソニーグループ株式会社による「越境的未来共創社会連携講座(通称:Creative Futurists Initiative、以下CFI)」では、8ヶ月間にわたる講座内の実践研究プロジェクトの成果発表として、2024年11月23~25日の3日間、東京大学本郷キャンパスにおいて「Tech Bias —テクノロジーはバイアスを解決できるのか?」展を開催。出展した4グループのみなさんにインタビューを行ないました。今回は、身近な製品設計にも関わる「標準的身体」と「計量(数字で扱うこと)」について捉え直す《私たちを計量しないために》と、バイアスについてオープンに語らうコミュニケーションの仕組みを作る《バイアス推理カード》についてお話を伺いました。(※) 記事中の所属・役職等は取材当時のものTEXT: Nanami Sudo PHOTOGRAPH: KAORI NISHIDA PRODUCTION: VOLOCITEE Inc.目次: 標準の大きさ・形とは何かを疑ってみる 手にまつわる記憶から自分の個性を見つめる ゲームでテクノロジーに潜むバイアスを考察する 標準の大きさ・形とは何かを疑ってみるこちらの作品のテーマは「標準的身体」です。ある製品において想定される「人間の手はこれくらいの大きさや形である」という設定に対して、それがいかにして標準的と言えるのか? という問いを立てました。推論ですが、世界の製品の多くは、おそらく西洋の成人男性の健常者が基準になっていると思います。しかし、西洋の成人男性の健常者の中にもばらつきがありますよね。 ピアノを例に挙げると、1オクターブの幅が165.5mmに規格化されていますが、手の小さい方では、指が届きにくいため弾くことが困難です。メンバーの一人は以前ピアノを習っていたけれど、先生から「手が小さいから無理」と言われて辞めてしまったそうです。しかし、実は音階を保つために、鍵盤のサイズなどの構造が関係しているわけではないんです。ピアノの設計は、長い歴史を持っていて格式高いということも、この規格を固定化してしまっている一つの要因として挙げられると思います。それが今に至るまで、何となく当たり前として受け入れられてきて、意識されてこなかったのかもしれません。モーツァルトら著名な作曲家たちがどんな体格だったのかは正確には分かりませんが、過去の演奏者の多くが男性だったという背景も関係し、ピアノの設計にも西洋の成人男性の平均的な体格が影響しているのではないでしょうか。さらには、ピアノを嗜むことが格式や教養を示すものであり、それが男性に偏っていたのではないかということも推測できます。 また、会場には五本指の軍手も例として掲示しました。3Dプリンターで「手尺1尺=約30.3cm=標準」と設定した手の模型を作成し、そこに軍手をはめてみました。今回展示をしてみて、来場者の方との会話の中で、この形が必ずしも全ての人に合うわけではないことに改めて気づかされました。「指が短いから、手袋をはめると先端が余ってしまい、その瞬間に自分の手が標準とは違うのだと感じる」という話も伺いました。特に指の長さや形状、手の大きさによってはフィットしない場合があります。そもそも五本指を標準とすることについても再考する余地があるように思います。また、今回作成した模型は関節が曲がらないため、これに軍手をはめようとすると非常に難しいことにも気づき、人間の手の動きの自由度や柔軟性についても、当たり前ではないと再認識させられました。 さらに「手袋や衣服の標準は地域や文化によって異なるのではないか」という指摘もありました。今回の展示を通じて、そうした多様性や個々の身体に合わせた製品設計の必要性を実感することができました。これは、身近な道具の設計にも通ずる部分があると思います。多くの人にとって「標準的」とされるサイズで作られているものでも、実際には身体のパーツが大きい人や小さい人、子どもや高齢者にとっては、その設計が負担になってしまうこともあります。まずは「標準」を疑ってみる視点が、私たちの生活をより良くするきっかけになるのではないでしょうか。…